ラヴェル:ボレロ

ラヴェル:ボレロ
圧倒的な重厚さ(並行3度や5度を組み合わせたりもしている)でA、Bのメロディーを演奏すると、曲は初めてA、Bのメロディーを離れた旋律に移り、音量も最高潮を迎えた直後、最後の2小節で下降調のコーダで収束し、終焉を迎える。実は「ボレロ」の反復は情感によって人の心を底から自然に揺さぶっていくのではなく・どこか機械的・人為的に人を揺さぶり否応なく興奮状態に追い込んでいくような非人間的な要素があるのです。
つまり、一定のリズムで柱がずらっと並んでいて・見かけはギリシア様式を模していて古典的に見えるのですが、人体の影としてのオーダーを単純に反復して・ 横に引き伸ばして・ついには人間的なプロポーションを逸脱したムカデ構造になっているのです。同年の夏、アメリカへの演奏旅行から帰ってきたラヴェルは、海水浴に訪れていた別荘で友人達にこの曲の主題を披露したという逸話が残っている。
初演のコンサートの時のことですが・曲が最終場面に差し掛かった時、ラヴェルの従兄弟が聞いている傍で或る老婦人が前の座席の背をつかんで身体を震わせて「だめ、だめっ」と叫んだということです。1984年に行なわれたサラエボオリンピックにおけるフィギュアスケート競技のアイスダンスにおけるイギリスのトービルとディーンのペアの曲。
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